2019年9月のFOMC政策金利発表前後の各通貨(ドル円・ポンド円・ポンドドル・ユーロ円・ユーロドル)の動きについて考察を交えつつ、今後のトレードの参考となるよう記録しております。
2019年9月のFOMC金利政策発表前の市場動向
・今回のFOMCで0.25%の利下げを市場は織り込み済み
・焦点はFOMC・パウエル議長講演で年内追加利下げの可能性を言及するかどうか?
利下げへの期待が強いため利下げへの慎重姿勢が示された場合はドルが大きく買い戻される可能性あり
9月FOMC政策金利の結果
・7:3で予想通り25bpの利下げを決定
・17人のうち7人は25bpの利下げが年内あと1回実施されるとの見通し、5人は金利据え置きを予想、残る5人は年内に利上げが必要になるとの見方を示す。
・利下げを示唆する「will act appropriate(適切な行動をとる)」という文言が残る
パウエル議長発言内容(AM 3:30より)
・経済が弱まれば、より大幅な利下げが必要になる可能性もある
・国内労働市場は力強く、インフレ率はFRBが目標とする2%に回復する公算が大きい
・あらかじめ決められた軌道には乗っておらず、会合ごとに判断
・十分な措置を講じたと判断
・利下げはリスクに対する保険
市場の過度な利下げ期待には牽制を入れつつも、利下げの必要性は述べる → バランスをとった形
FOMC前後の各通貨の動き
ドル円
2020年の追加利下げ観測が後退したことからドルが買い戻される展開。
その後パウエル議長発言を受けた利下げの期待がやや盛り返し3:46辺りから短期的にドルが売られ下落。しかし同日発表予定である日銀政策金利への思惑や過度な利下げ期待への後退からドル買いトレンドが継続。
ポンドドル
追加利下げ期待後退によりポンド売り(ドル買戻し)が入るが、パウエル議長発言後短期的なポンド買いトレンドへ転換。
ポンド円
FOMC政策金利発表後ポンドドルでのポンド売り、ドル円での円売りによりレンジ内での推移が続く。
その後パウエル議長のやや利下げ期待へとつながる発言によりポンドドルでのポンド売りが和らぎ、ポンド高、ドル高の動きにつられる形でAM3:45の134.92程度を底値として135.60台後半までポンド円は上昇。
ユーロドル
ポンドドルの動きと同じくFOMC政策金利発表後に過度な利下げ期待が後退。1.10700近辺から1.10150近辺までドルが買い戻される展開となる。
パウエル議長発言後は緩やかにユーロ買いへ転じるもユーロの基調の弱さやECBの利下げの可能性から大きく買い戻しは入らなかった。
ユーロ円
FOMC政策金利発表後はドル円で円売りに転じるもユーロドルでのユーロ売りの影響を強く受け結果としては短期的な下落トレンドに。
パウエル議長発言後はユーロドルの緩やかな戻りと円売り基調の強まりからユーロ円はFOMC以前の値まで戻す結果となる。